白鷺城／ホワイト・キャッスル：ルール

1. ゲームの目的

プレイヤーは江戸時代の小藩の領主（大名）となり、姫路城（白鷺城）で影響力を高めることを目指します。家臣（藩士）、庭師、侍を城内外の適切な場所に配置し、資源（食料、鉄、真珠）を管理し、アクションを連鎖させることで、3ラウンド終了時に最も多くのクランポイント（勝利点）を獲得したプレイヤーが勝者となります。

2. BGA上の主な要素（コンポーネント）

BGAでは物理的なコンポーネントの代わりに、以下の要素が画面上に表示されます。

• メインボード: 城郭、3つの橋、庭園スペース、訓練場スペース、季節トラックなどが表示されます。
• 個人ボード: 各プレイヤーの資源（食料、鉄、真珠）トラック、所持金、大名紋章、灯籠カードスロット、家臣コマのストックが表示されます。
• ダイス: 赤、黒、白の3色のダイスが各橋の上に表示されます。
• カード: 城カード（給仕、交流、大名）、庭園カード（植物、石）、スタートカードなどが適宜表示されます。
• 各種マーカー: 手番順を示す白鷺コマ、季節トラック上の影響コマなどが表示されます。

3. ゲームの準備（BGAでは自動処理）

BGAではゲーム開始時に以下の準備が自動的に行われます。

1. メインボード設定: 橋、庭園カード、訓練場タイル、城カード、ダイスタイルが配置されます。
2. ダイス配置: 各色のダイスが必要数だけ振られ、各橋の上に左から右へ昇順（目が小さい順）に配置されます。
3. プレイヤーボード設定: 各プレイヤーは個人ボードを受け取り、初期資源（食料3、鉄2、真珠1）、コイン5枚、大名紋章2枚が与えられます。家臣コマ（藩士5、庭師5、侍5）がストックに配置されます。
4. 手番順決定: 影響コマが季節トラックにランダムに積まれ、同じ順で手番順トラックに白鷺コマが配置されます。一番上のプレイヤーから手番を開始します。
5. スタートカード選択: プレイヤー数＋1組のスタートカードペア（資源カード＋アクションカード）が公開されます。手番順とは逆順で各プレイヤーが1組を選びます。
   • 選択後、アクションカードは個人ボードの空きアクションカードスロットにセットされます。
   • 資源カードに示された資源を獲得します。
   • 資源カードは個人ボード下部の灯籠エリアに裏向きで置かれ、灯籠アクションを強化します。

4. ゲームの流れ

全体の流れ

• ゲームは全3ラウンド行われます。
• 各ラウンドで、全プレイヤーが3回ずつ手番（ターン）を実行します。
• 手番は手番順トラックの白鷺コマの順番（上から下）で行われます。

4.1. 手番の進行

各手番（ターン）では、以下のステップを順番に実行します。

1. ダイスドラフト: 3つの橋のいずれかの両端にあるダイスを1つ選択します。橋の中央にあるダイスは選択できません。
   • BGA補足: ダイスが取られた後、橋の中央にダイスが残っていれば、自動的に空いた端のスペースに詰められます。
2. ダイス配置とコスト処理: 選択したダイスを、以下のいずれかの有効なアクションスペースに配置します。
   • 配置可能な場所:
     • 城内部（5つの部屋）:
       • 各部屋には配置可能なダイスの色や目の条件が示されている場合があります。
       • スペースに示された目の値と配置するダイスの目を比較します。
         • 配置ダイス目 > スペースの目: 差額分のコインを獲得します。
         • 配置ダイス目 < スペースの目: 差額分のコインを支払います。コインが不足している場合は配置できません。
       • 重ね置き（3人以上プレイ時）: 他のプレイヤーのダイスの上に重ねて配置できます（最大2個まで）。この場合、コスト計算は一番下のダイス（またはスペース）の目と比較します。
     • 城外（井戸周り）: ダイスの色に関わらず配置可能。隣接する主要アクション（庭師、藩士、侍）のいずれか1つを実行します。コスト計算は井戸スペースに示された目と比較します。
     • 個人ボード: ダイスを配置した列のアクションを実行します。コスト計算は個人ボードのスペースに示された目と比較します。
3. 灯籠アクション（左端ダイス選択時のみ）: 橋の左端（低い目のダイスがあった側）からダイスを取った場合、個人ボード下部の灯籠エリアにある全てのカードの効果を発動します。
   • 効果例: 即時資源獲得、コイン獲得、大名紋章獲得、ダイス目修正、追加アクションなど。カードのアイコンに従います。
4. メインアクションの実行: ダイスを配置した場所に対応するアクションを実行します。詳細は「5. アクションの詳細」を参照してください。

4.2. ラウンド終了処理

全プレイヤーが3回ずつ手番を行ったらラウンド終了となり、以下の処理が行われます。

1. 手番順の更新: 季節トラック上で最も進んでいるプレイヤーから順に、次のラウンドの手番順トラックの白鷺コマを並べ替えます。同位の場合は元の順番を維持します。
2. 庭園の再活性化: 橋の上にダイスが残っている場合、その橋の下にある庭園カードに配置されている自身の庭師の効果が再度発動します（手番順に解決）。最終ラウンド（3ラウンド目）終了時は発動しません。
3. 次ラウンド準備（1・2ラウンド目のみ）:
   • 全てのダイスを回収し、再び振り直して各橋に昇順で配置します。
   • ラウンドマーカーを1つ進めます。

5. アクションの詳細

5.1. 城内部アクション

ダイスを城内部の部屋に配置した場合、配置したダイスの色に対応するアクションをすべて実行します。部屋のアイコンに従って、資源獲得、コイン獲得、大名紋章獲得、季節トラック進行、家臣の配置/移動などのアクションを行います。

5.2. 城外アクション（主要アクション）

城外（井戸周り）にダイスを配置した場合、隣接する3つの主要アクション（庭師、藩士、侍）のうち1つを選択して実行します。

1. 庭師（Gardener）アクション:
   • コスト: 指定された量の食料を支払います。
   • 実行内容:
     • 個人ボードから庭師コマを1つ取ります。
     • まだ自分の庭師が置かれていない庭園カードを選び、その上に配置します。
     • 配置した庭園カードの効果を即座に発動します。
   • 補足: ラウンド終了時の「庭園の再活性化」で再度効果を発動する可能性があります。
2. 藩士（Courtiers）アクション:
   • 以下のいずれか、または両方を任意の順で実行できます。
     • 城門への配置:
       • コスト: コイン2枚
       • 実行内容: 個人ボードから藩士コマを1つ取り、城門スペースに配置します。
       • 得点: ゲーム終了時に1点になります。
     • 階層の昇進:
       • コスト: 真珠2個（城門→1階、または1階→2階へ移動） / 真珠5個（2階→3階/大名の間へ移動）
       • 実行内容: 対象の階層にいる自分の藩士コマを1つ上の階層へ移動させます。
       • 得点: 1階は3点、2階は6点、3階は10点になります。
   • 昇進時のカード獲得（1階または2階への移動時）:
     • 移動先の階層にある利用可能な城カード（給仕/交流）を1枚選び、獲得します。
     • 獲得したカードを、個人ボードの同じ色のワーカーアクションスペースにあるカードと入れ替えます。
     • 元々あったアクションカードは裏返し、灯籠エリアに追加され、以降の灯籠アクションを強化します。
   • 大名の間到達ボーナス（3階への移動時）:
     • 灯籠アクションを1回実行します。
     • その藩士コマをメインボード上部の空いているボーナススペースに配置します。
3. 侍（Warrior）アクション:
   • コスト: いずれかの訓練場タイルを選び、指定された量の鉄を支払います。
   • 実行内容:
     • 個人ボードから侍コマを1つ取ります。
     • 選んだ訓練場タイルの空いているスペースに配置します。
     • 配置したスペースに示された即時報酬（資源、コイン、季節トラック進行など）を獲得します。
   • 補足: 配置した侍はゲーム終了時の得点計算に影響します。

5.3. 個人ボードアクション

個人ボードの列にダイスを配置した場合、以下の順で実行します。

1. 資源ボーナス獲得: 配置した列の、まだ家臣コマが置かれていない（空いている）すべてのスペースから、示された資源やコインを獲得します。
2. アクションカード実行: 配置した列に対応するアクションカードの効果を実行します。

5.4. 灯籠アクションの詳細

橋の左端からダイスを取った場合に発動します。個人ボード下部の灯籠エリアにある全てのカードの効果を解決します。カードのアイコンに従って資源、コイン、その他のボーナスを獲得します。

5.5. 大名アクション

手番中、いつでも大名紋章を消費して以下のアクションを実行できます（回数制限なし）。コストと効果は以下の通りです。

• コスト: 資源2個（任意の組み合わせ） → 効果: 大名紋章1個獲得
• コスト: 大名紋章1個 → 効果: 任意の資源1個獲得
• コスト: コイン1枚 → 効果: 大名紋章1個獲得
• コスト: 大名紋章1個 → 効果: コイン1枚獲得

6. ゲーム終了と得点計算

6.1. 終了条件

3ラウンド目の終了処理が完了した時点でゲーム終了となります。

6.2. 得点計算項目

以下の項目でクランポイント（勝利点）を計算します。BGAでは自動で計算されます。

1. 残存資源:
   • (所持コイン + 所持大名紋章) ÷ 5 の商（端数切り捨て）が点数になります。
   • 各資源（食料、鉄、真珠）について、所持数が3〜6個なら1点、7個以上なら2点を獲得します。
2. 季節トラック:
   • 影響コマが到達した季節に応じて得点を獲得します。
     • 第2季節: 3点
     • 第3季節: 6点
     • 第4季節: 到達したスペースに示された点数（10〜15点）
3. 城内の藩士:
   • 配置されている場所に応じて得点を獲得します。
     • 城門: 1点
     • 1階（給仕の間）: 3点
     • 2階（交流の間）: 6点
     • 3階（大名の間）: 10点
4. 訓練場の侍:
   • 各訓練場タイルごとに計算します。
   • 計算式: （そのタイル上にいる自分の侍コマの価値アイコンの合計） × （城内（1階、2階、3階）にいる自分の藩士コマの総数 ※城門は含まない）
5. 庭園の庭師:
   • 配置されている庭園カードに示されたクランポイントを獲得します。

6.3. 同点処理

• 合計得点が最も多いプレイヤーが勝者となります。
• 同点の場合、最終ラウンド終了時点の手番順トラックでより上位（より手番が早い）プレイヤーが勝利します。

7. 戦略のヒント

• 資源管理: 食料（庭師）、鉄（侍）、真珠（藩士昇進）はそれぞれ重要なアクションに必要です。バランスよく集めるか、特定の戦略に必要な資源を重点的に集めましょう。
• ダイス選択: 低い目のダイスはコストがかかる可能性がありますが、灯籠アクションを発動できます。高い目のダイスはコイン収入になる可能性があります。状況に応じて最適なダイスを選びましょう。
• アクション連鎖: 藩士の昇進で得たカードが灯籠アクションを強化したり、庭師の再活性化を見越したりするなど、アクション間の繋がりを意識しましょう。
• 季節トラック: 手番順と高得点に影響します。計画的に進めることが重要です。
• 得点源の多様化: 藩士、侍、庭師、資源、季節トラックなど、複数の得点源をバランスよく伸ばすか、特定の得点源に特化するか戦略を立てましょう。
• 序盤・中盤・終盤: ラウンドごとに狙うべきアクションや得点が変わってきます。序盤は基盤作り、中盤で戦略を固め、終盤で得点を最大化するなど、長期的な視点で計画を立てましょう。