ストックパイル(Stockpile)
ストックパイルは、安く買って高く売るという伝統的な株式保有戦略といくつかの追加メカニズムを組み合わせて、テンポの速い、魅力的でインタラクティブな体験を生み出す株式ボードゲームです。
ストックパイルでは、プレイヤーは20世紀の終わりの株式市場の投資家として行動し、一攫千金を目指します。ゲーム終了時に最も多くの資金を持っている投資家が勝者です。ストックパイルは、誰も株式市場についてすべてを知っているわけではないが、誰もが何かを知っているという考えに基づいています。ゲームでは、この哲学はインサイダー情報と備蓄(ストックパイル)という2つの方法で現れます。
まず、プレイヤーにはラウンドごとにインサイダー情報が提供されます。この情報は、ラウンド終了時に株式の価値がどのように変化するかを示します。株価が上がるか下がるかを自分だけが知ることで、各プレーヤーは適切なタイミングで売買し市場に先んじて行動することができます。
次に、プレイヤーはストックパイルと呼ばれるカードの山に入札して株を購入します。これらのストックパイルには、ゲーム内の他のプレイヤーが配置した表向きと裏向きのカードが混在しています。このようにして、誰もストックパイルのすべてのカードを知ることはありません。 すべてのカードが良いわけではありません。 取引手数料は、プレイヤーに入札額よりも多く支払うようにさせることで妨害します。ストックパイルは、株式やその他のカードをオークションに出すことで、特にインサイダー情報から得られる潜在的な利益がかかっている場合に、プレイヤー間のやり取りを促進します。
これらのメカニズムは両方とも、いくつかの株式市場の要素と組み合わされて、株式を売却する際にプレイヤーに複数の要因を考慮させます。有利な株式分割を期待して株式を保有するか、それとも潜在的な会社の倒産を避けるために今売却するかの選択もやってくるでしょう。ゲームが終了するまで株式を最大数保持して筆頭株主になることも重要ですが、将来の入札のために今現金を持っておくために売却を視野にいれなければいけないかもしれません。1つの企業に多額の投資をすることですべてのリスクを冒しますか?それとも、ポートフォリオを多様化することでリスクを軽減しますか?
結局、誰もが株式市場について何かを知っているので、すべては戦略の実行に帰着します。株式市場の動きを確実にナビゲートできますか?それとも、予測の悪さから投資が失敗するでしょうか?
プレイヤーの数: 2 - 5
ゲームの長さ: 30 mn
複雑さ: 2 / 5
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ルールの概要
セットアップ
入札ミープル、プレイヤーボード、$20,000分の紙幣カード($5kを3枚、$1kを5枚)を、各プレイヤーに配ります。残った紙幣カードを種類ごとに、ゲームボードの近くに置いておきます。
ゲームボード上のプレイヤー人数に対応するカレンダースペースに、ターンマーカーを配置します。各株価の開始位置(背景が暗い円)に、ストックチッカー(株式相場表示機)を配置します。
企業カードと、予測カードを別々にシャッフルして山札にし、ゲームボードの近くに置いておきます。
市場デッキの中から、6種類ある株券カードを1枚づつ引き抜き、各プレイヤーに1枚配ってください。
各プレイヤーは配られた株券カードを裏面のまま、プレイヤーボードの株式ポートフォリオに置きます。この株券カードは、ゲーム中に通常通り使用できる株券カードです。残った株券カードは市場デッキへ戻してシャッフルし、ゲームボードの近くに裏向きのまま山札にして置きます。
ランダムにスタートプレイヤートークンを受け取ってください。
ラウンド
「ストックパイル」は、プレイヤーの人数に対応した数ラウンドを行います。
3人プレイでは全7ラウンド。
2・4人プレイでは全6ラウンド。
5人プレイでは全5ラウンド。
ゲームはスタートプレイヤーから始まり、時計回りに手番が移ります。ラウンド終了後、スタートプレイヤーの左隣のプレイヤーに、スタートプレイヤートークンを渡します。
各ラウンドは6フェイズで構成されます:
1. 情報開示フェイズ
2. 配置フェイズ
3. 入札フェイズ
4. アクションフェイズ
5. 売却フェイズ
6. 株価変動フェイズ
1. 情報開示フェイズ
情報開示フェイズで各プレイヤーは、企業カードと、予測カードを1枚づつ受け取ります。企業カードは予測カードとセットとなり、株式の価格変動を示します。株価の変動は株価変動フェイズ中、ラウンドの終了時に起こります。
1.各プレイヤーは、企業カードと予測カードを1枚づつ受け取ります。
注意:プレイヤーは配られたカードを確認し、他のプレイヤーに見られないように隠さなければなりません。配れたカードは、株価変動フェイズで株価が変動する前の、入札フェイズと売却フェイズでどのように動けばいいのかが分かる、インサイダー情報です。
2.ゲームボード上に企業カードと予測カードを1枚づつ、表面にして配置します。この株式変動は公開情報です。
3.残っている企業カードと予測カードはそれぞれ裏面のまま山札にして、ゲームボードに置いておきます。
注意:残ったこれらのカードは、株価変動フェイズの間、ラウンド終了後に使用されます。
3人で遊ぶ場合、2枚づつ裏向きでカードが置かれます。
4人で遊ぶ場合、1枚づつ裏向きでカードが置かれます。
5人で遊ぶ場合、裏向きで置かれるカードはありません。
2. 配置フェイズ
配置フェイズで、各プレイヤーはカードをストックパイルに出します。
ストックパイルに出すカードは、株券カード、売買費用カード、アクションカードの、いずれかになります。
ストックパイルは市場への配置となり、プレイヤーたちは入札フェイズで入札することで、それらを獲得することが出来ます。
1.各ストックパイルに対して、市場デッキからカードを1枚引き、表面にして配置していきます。ストックパイルはボード上の計算機が描かれているスペースの下に作られます。プレイヤー人数が、各ゲームで使用するストックパイルの数となります。
2.市場デッキからカードを2枚、各プレイヤーに配ります。プレイヤーたちは、配られたカードを既に所有しているカードとは混ぜないように持っていてください。
3.手番順に、各プレイヤーは配られたカードを任意のストックパイル1枚、または、2枚配置します。1枚は表面で、もう1枚は裏面で配置します。
注意:カードは同じストックパイルにも、別のストックパイルにも配置することが出来ます。プレイヤー人数が4人未満の場合は、4番目、5番目の、プレイヤー人数が5人未満の場合は、5番目のストックパイルに配置することは出来ません。各プレイヤーは、ストックパイルにどのカードが配置しているのかが分かるように、カードを下にずらして配置してください。
全てのプレイヤーが配られたカードをストックパイルに配置した後、入札を行うために入札フェイズが始まります。
3. 入札フェイズ
入札フェイズでは、プレイヤーたちが配置フェイズで作成したストックパイルを獲得します。
入札トラックは、フェイズ終了時にストックパイルに対して支払う金額を示しています。
1.各プレイヤーは手番順で、入札ミープルを入札トラックに配置します。
既に入札されているストックパイルであっても、それを上回る金額が支払えるなら入札が可能です。
注意:現在、所有している資金よりも多い金額で、入札することは出来ません。各プレイヤーが所有している資金は公開情報です。
2.他のプレイヤーが、既に入札しているプレイヤーよりも 高値で入札した場合(つまり、他のプレイヤーが、同じ入札トラックの今より高い金額の位置に、入札ミープルを置いた場合)、高値を付けられたプレイヤーは自分の入札ミープルをボードから戻し、次のターンで再入札を行います。
注意:全プレイヤーが入札を終えた後に、再入札を行います。複数のプレイヤーの再入札は、時計回りで行います。
再入札は、同じ入札トラックや、別の入札トラックに行っても構いません。入札されているトラックに対し、これ以上、入札できるスペースがない場合、その入札トラックはロックされます:最大入札金額は、$25,000です。
現在の入札に対して高値を付けられないのであれば、他のプレイヤーより低く入札したり同値に入札することはできません。
3.全ての入札トラックに、入札ミープルが1個づつ置かれるまで、入札は続きます。
4.各プレイヤーは入札金額をストックに支払い、自分の入札ミープルを手元に戻し、入札トラックのストックパイルに あるカードを全て受け取ります。
5.受け取ったストックパイルの中に売買費用カードがある場合、その金額をストックに支払って下さい。支払った後、市場デッキの隣を捨て札置き場にし、そこへ表向きで売買費用カードを置きます。
注意:プレイヤーが売買費用カードの代金を支払えない場合、プレイヤーは売買費用カードを保管しなければなりません。表面で売買費用カードを目の前に置いておきます。表面で置かれている売買費用カードがある場合、プレイヤーが十分な金額を獲得したら、すぐに支払わなければなりません。
6.獲得した残りのカードは、プレイヤーボードの株式ポート フォリオスペースに、裏向きで置いておきます。
注意:ゲーム中、獲得した株券カードは、他のプレイヤーに対して秘密にしなければなりません。プレイヤーは常に、所有している自分の株券カードを見ることが出来ます。
4. アクションフェイズ
アクションフェイズでは、プレイヤーたちはアクションカードを使用して市場を操作します。
1.各プレイヤーは手番順で、獲得した全てのアクションカードを使用します。使用したカードは表向きで、捨て札置き場に置きます。
◎株価急上昇! - 各株価急上昇カードは、プレイヤーが選択した1銘柄に対して、株価を2スペース上昇させます。
◎株価急下落! - 各株価急下落カードは、プレイヤーが選択した1銘柄に対して、株価を2スペース下落させます。
注意:プレイヤーは必ず1銘柄を選び、株価を上昇/下落させなければなりません。株価が、株式分割スペース、または、破綻スペースに到達した場合、下記にある株価変動フェイズのルールを参照して下さい。
5. 売却フェイズ
売却フェイズでは、プレイヤーたちが所有する株券カードを任意の数だけ売却する機会があります。
プレイヤーたちは、手元にあるインサイダー情報を基に知恵を絞って、株券カードを売却することになります。
1.プレイヤーたちは手番順で、売却する株券カードを任意の枚数だけ表向きで捨て札に置きます。現在の株価に対応する紙幣カードをストックから受け取ります。
注意:分割ポートフォリオスペースに置かれている株券カードを売却する場合、現在の株価に対して2倍の紙幣カードを受け取ります。
プレイヤーたちは、株券カードを1枚分だけ売却したい場合、分割ポートフォリオスペースに置かれている株券カードを、株式ポートフォリオスペースに動かします。これにより、分割されていた株券カードの内、1枚が売却されることになります。
6. 株価変動フェイズ
株価変動フェイズでは、情報開示フェイズで配った、企業カードと予測カードの効果により、株価が変動します。
1.プレイヤーたちは手番順に、配られた企業カードと予測カードを公開し、株価を変動させます。
2.ゲームボード上にある、残っている表向きになっている企業カードと予測カードと、裏向きに置かれている各カードを公開し、株価を変動させます。全ての銘柄は、各ラウンドで何かしらの影響を受けることになります。
3.”$$”が描かれている予測カードは、その企業が株主に対して配当を支払うことを意味します。株価は変動しません。その代わりに、各プレイヤーはポートフォリオにストックされている株券カード1枚につき$2,000を即座に受け取ります。
注意:プレイヤーたちは、分割ポートフォリオスペースに置かれている株券カードにつき、2倍の配当金を獲得します。
プレイヤーが配当金を獲得する場合、各ポートフォリオに置かれている株券カードを公開しなければなりません。ポートフォリオにどの株券カードが置かれているのを知らせたくない場合は、配当を受けない代わりに公開しなくても構いません。
●株式分割
株式分割銘柄の株価が「10」より上昇した場合、株式分割が起きます。株式分割により、プレイヤーが現在所有している株券が2倍になります。
株式分割が起こる際、全プレイヤーの株式ポートフォリオに置かれている、対応する株券カードを公開し、分割ポートフォリオスペースへ裏向きで配置します。
上昇した銘柄のストックチッカーを「6」の株価に戻します。株式分割は、株価が「10」まで上昇する度に起こり、対応する銘柄の株価を「6」に戻すことで、株式は増加し続けていきます。
株式分割後に、新しく獲得した株券カードは株式ポートフォリオへ置きます。分割ポートフォリオには置きません。
プレイヤーの分割ポートフォリオに株券カードが置かれていた状態で株式分割が起きる場合、分割ポートフォリオに置かれている株券カード1枚につき、$10,000分の紙幣カードを獲得します。
分割ポートフォリオに置かれている株券カードはそのまま残ります。
●倒産
倒産ターン中に株価が「1」より下に下落した場合、その企業はすぐに倒産します。
全プレイヤーは、分割ポートフォリオを含めて、所有している倒産した企業の株券カードを全て捨てます。倒産した企業のストックチッカーを「5」の株価位置に戻します。
ラウンドの終了
株価変動フェイズ後、ラウンドは終了します。ゲームボード上のカレンダースペースにあるターンマーカーを、右に1スペース進めます。
スタートプレイヤーは、スタートプレイヤーマーカーを左隣のプレイヤーに渡し、次のラウンドを始めます。ターンマーカーが、カレンダースペースの一番右にある場合、ゲームが終了します。
ゲームの終了
最後の株価変動フェイズが終わると、ゲームが終了します。
残っている市場カードは、このゲームでは使用されません。
1.筆頭株主を決めるため、全プレイヤーは所有している株券カードをすぐに公開します。
筆頭株主は、各企業の株券カードを最も所有しているプレイヤーです。
注意:筆頭株主を決める際、分割ポートフォリオに置かれている株券カードは倍として計算します。各企業の筆頭株主はボーナスとして、 $10,000を獲得します。
同数のプレイヤーが複数居る場合は、各プレイヤーは$5,000を獲得します。
注意:分割ポートフォリオに置かれている株券カードは倍として計算します。
2.各プレイヤーは、ゲーム終了時の株価で、所有している 株券カードを売却します。
3.各プレイヤーは所有している紙幣カードを合計します。 最も自己資金を所有しているプレイヤーが勝者となります。タイブレークはありません。
アドバンスゲームボード拡張
通常ゲームではすべての会社が1から始まり10が最終地点でしたが、この拡張では各会社でそれぞれ異なります。
また、株式変動フェイズで引いて公開する”$$”が描かれている予測カードは2枚になります。